自治体行政のゆくえ
県本部は1月17日自治体福祉センターで第114回中央委員会を開き21単組の69人(うちWeb参加9人)が参加しました。
情勢学習として「高市内閣と自治体行政のゆくえ」のテーマで田村陽平弁護士が講演しました。要旨は以下の通りです。

外国人労働者の積極的受け入れ一転、取り締まり強化
外国人に対しては、安倍政権が、観光立国としてインバウンド政策を強化し、少子高齢化による労働力不足を補うために外国人労働者の受け入れ拡大を積極的に進めてきた。在留外国人の増加は、政策の結果である。ところが高市政権は、排外主義的な主張に対して「一線を画す」としつつも、「秩序ある共生社会」を掲げ、不法滞在者ゼロプランなど、外国人を管理対象として取り締まりを強化し、潜在的犯罪者のように扱っている。
日本はもはや階級社会
2008年リーマンショックで話題となった「ワーキングプア」は、今や全面化して、日本はもはや階級社会となっている。搾取が構造化され「普通に生活していくこと」を困難にしているが、自己責任論により原因は個人に帰されている。渦巻く不満は、不公正な社会の修正ではなく、ナショナリズムと排外主義に接続されている。
経済的徴兵が強まるのでは
2015年安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定があり、2022年の岸田首相による安保3文書で、敵基地攻撃能力を認め大幅な軍事費拡大が始まった。高市首相は2026年中に安保3文書の改定方針を示しており、非核三原則に例外を設けようとしている。
安全保障の危機が強調されミサイル防衛が強化されている一方、実際に防衛を担うことになる自衛隊の課題は、隊員確保が非常に困難であることだ。自治体の自衛隊への対象者名簿提出が広がっているが、全然足りない。今後、貧困家庭の子弟に対する経済的誘導が強化され「経済的徴兵」が強まっていくのではないか。
政治判断に歯止め
2025年6月27日最高裁で生活保護引下げの違憲判決が確定した。この判決において宇賀克也裁判長は、生活保護費の水準は専門技術的な考察に基づいて政策判断されるべきで、厚労大臣の生活保護費の大幅な引き下げ判断は裁量権の逸脱・濫用で、改定は違法であり、国に慰謝料を含め損害賠償責任がある、との反対意見を書いた。これは専門技術的判断について、政治判断に先行するもの・行政裁量を枠づけるものと位置付けており、重要な意味がある。