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気候危機は人権の危機 環境活動家ukaさんに聞く

1850-1900年を基準とした気温上昇の変化

千葉県は、2019年に台風や豪雨で大きな被害を受けました。地球温暖化による極端な気象現象の頻発は、住民生活に甚大な影響を及ぼします。地球環境問題は、住民の生活をまもる自治体にとっても大きな課題です。今回は、環境活動家のukaさんに、気候危機について話を聞きました。

【環境活動家ukaさん】
メディアとスポンサーと視聴者が新しい関係性を構築し、気候危機を解決に導くための団体「Media is Hope」の共同代表。「余暇のほとんどを使い気候危機に取り組むふつうの人」

――気候危機とはどういうことでしょうか
産業革命以降、人間活動により地球の平均気温はすでに約1℃以上、上昇しています。気温上昇を1・5℃以内に抑えないと、不可逆的に気温上昇が加速していくと予測されています。
温暖化は、豪雨や干ばつなどの極端な気候現象の頻発をもたらします。生活インフラや食料生産基盤が破壊され、限られた資源の配分をめぐって紛争が激化していくことも予想されます。気候問題は、人々の生活や健康・生命をめぐる人権問題でもあります。その影響から地球上の誰一人逃れられません。

 

1850-1900年を基準とした気温上昇の変化

環境省『令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書』より

――どうしたらいいのでしょう?
2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする必要があります。そのために2030年までにCO2排出量を半分にしなければなりません。
ただ、最大限努力しても今後約20年は気温上昇が続き、災害が頻発するのは避けられないとされています。
現在、「先進国」は意欲的な削減目標を立てていますが、日本政府は消極的で昨年11月のCOP26で石炭火力発電の廃止に後ろ向きであると評価され「化石賞」という不名誉な賞を贈られました。
日本には、洋上風力発電、太陽光発電、小水力発電や地熱発電など、再生可能エネルギーのポテンシャルはあります。
再生可能エネルギーの地産地消で、域外に流出していたエネルギー関連支出を地域内に回すことができ、雇用も生まれます。地域経済が循環し、持続可能な地域社会への展望が開けます。

――自治体のとりくみが重要ですね
県内でも、CO2排出ゼロ宣言をする自治体が増えています。早く取り組むことが賢い選択だと思います。
さらに、根本的には、将来世代を犠牲にした成長の在り方は見直し、社会システムを変えないといけないと考えています。
日本社会の3・5%(440万)の人が本気で動きだせば、社会が変わっていくと言われます。そのために、多くの人が多様な場面でバケツへ一滴一滴を積み重ねていくイメージで活動しようと思っています。バケツから水が溢れ出たとき社会が変っていくと信じて。

<インタビューを終えて>
地球の危機とエネルギー転換の必要性を再認識しました。また、こつこつと種を撒いていくことの大切さを改めて感じました。
(青年部長 金子)

機関紙『自治労連ちば』576号(2022年新年号)
2面より

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