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自治体職員の給料制度のキソ

7月22日、自治労連千葉県本部の2023年ユニオン・セミナー(労働学校)が開催され、10単組29人(うちWeb14人)が参加しました。午前は「公務員賃金の基本的しくみを学ぶ」、午後は「組合の活性化・組合魅力アップを交流する」がテーマでした。前半の賃金制度学習会について内容を報告します。

初任給の決まり方は?

地方公務員の給料月額は、各自治体の給与条例に定められている給料表によって決まり、○級○号で示されています。
正規職員が採用時にどの号給に「格付け」されるかは、「初任給基準表」により学歴ごとに決まっています。その際、前職があれば前歴換算表などにより号数が加算されます。

昇給や昇格はどうなるの?

良好な勤務成績であれば1年に4号昇給し給料が少しずつ増えて行きます。
また、(一定の級までは)所定の在級年数(その級に何年いたか)と、経験年数(職員として何年勤務したか)を満たせば、一級上の級に昇格します。
以上のように①給料表、②初任給基準と前歴換算、③昇給・昇格のルールによって給料月額が決まってきます。

これからの給与制度の課題は?

公務員の初任給は民間給与に比べ依然として低い状況です。初任給は、会計年度任用職員の賃金の基礎とされる号給でもあり、給料表の給料月額の大幅な改善が必要です。
また、近年中途採用者が多くなっていますが、前職までの勤務はあまり給料に反映されていません。前歴換算の改善が必要です。
給料表は、同一級で号数が増えるほど昇給する幅が小さくなっていきます。賃金を上げていくには昇格して級を上げる必要があります。
生涯賃金を考えれば、退職金の計算に使われる60歳時に到達する給料を上げることが大切で、そのためには昇格基準の改善が課題となります。

正規職員の給与制度は会計年度任用職員にも影響

会計年度任用職員については、この間の運動の結果、正規職員の給与改定に合わせ4月遡及とすること、来年度からパートタイム会計年度任用職員にも勤勉手当の支給が可能になるなど前進がありました。勤勉手当支給は今年度中から前倒しで実施を求めていきましょう。
さらに、格差是正のための給与・手当・休暇の改善、雇用の安定を必要です。

公務員の給与制度はどう変わってきた?

2005年の「給与構造改革」で平均4・8%、2014年の「給与制度の総合的見直し」で平均2%と、公務員賃金の水準は、全体として大きく引下げられてきました。
また、「給与構造改革」では給料表の1号分が4分割される一方で人事評価制度が導入され、その後、成績評価での配分は、徐々に増えて職員間の待遇差も拡大しています。

人事評価制度

人事評価で高評価を得られるのは一部の職員でしかありません。
客観的で公平な人事評価は難しく、ともすれば、印象や人間関係や様々な要素が評価に入り込んできます。
そして、評価結果が昇給・昇格に大きく影響していくとなれば、高評価を得るために、住民ではなく評価者を意識した業務となり、「全体の奉仕者」としてのあり方とはかけ離れていってしまうという危険もあります。
今後、評価結果を活用し待遇に差をつけていくことは、さらに進むでしょう。「生活給としての賃金」、「チームとしての自治体業務」といった基本に立ち返り、分断と孤立を乗り越えて組合に団結して交渉していくことが重要です。

機関紙『自治労連ちば』587号(2023年9月11日)1面記事より

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